高度経済成長に"明かり"が示した未来
今日は雨模様☔️で
こんな日は、夜間以上に"明るさ"が欲しくなります。
ご住居の場合、
窓面などの開口部からたっぷりと昼光を確保できるから、
照明は(控えめで)大丈夫だよね?と言う
お話を耳にすることがありますが
実は、
昼光など一定時間に
明るさがある場所、への方が
その明るさが無い時や
明るさが担保されなくなった時を想定して、の
「明るさの設計」が事前に必要になります。
そもそも夜間は
昼光の無い状態、他の明るさの影響が無い状態で
明るさの計画がなされていますので
季節や天候によっての感じ方に、差が生じにくいです。
『今日はお天気が悪くて、気分が晴れないわ』、と感じてしまいそうな時こそ
いつも以上に、お部屋を明るくコントロールできるだけで
生活の "安心感" が変わってきます。
本当に明るくするかどうか、ではなく
このような時には、こうできる=備え、を考えることが、そもそも設計なのだと思います。
高度経済成長、なんて言葉は
あまり耳にしなくなった世代の皆さんが世の中心でご活躍、の今、ですが
「明るさ」は戦後、
「モーレツ」(笑)なんて称された高度成長のシンボルでもありました。
お部屋内を隅々まで明るく照らす、蛍光灯の光はまさに
求める『豊かさ』の象徴だったはずです。
そうそう、蛍光灯の吊り下げ式のペンダントライト・・と
サザエさんの居間を想像していました・・(笑)
昔はサザエさんの提供は東芝さん1社でした。
この環型蛍光灯(丸い蛍光灯、サークラインと呼ぶメーカーさんも)の大小が装着された
ペンダントライト、でお部屋を明るくしていました。
「明るいこと」が「豊かであること」を表現した時代でした。
ただ、今は
ライフスタイルも多様化して
求める幸せ像も一定、均一ではなくなってきました。
お家の中だけでなく、明るくドギツ目のサインや広告も、サイン用の照明も減少しています。
明るさによって追求してきた、豊かさの中で
我々は成熟して「豊かさの価値」を見出すようになりました。
その姿の1つに陰影、明暗のコントロールがあるのではないでしょうか。
『暗さ』があるのでより、『明るさが際立っている』のです。
実は我々は明るさを計画する中で、その光を際立たせるための
"暗さの存在"も同時に設計しています。
明暗、陰影があるので、
モノの立体感や存在感も、空間の奥行きも感じやすくなるのですね。
天気がいいだけで、今日はイイ日な気がする(笑)
先日は北陸で「冬のこんな青空は何か起こりそうな前兆な気がする!」とも^^
われわれ生き物は 光に、とっても影響されて生きていますね。
光環境設計室
きくはら けいこ
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