設計も人生も想像&創造力
奈良の夏の風物詩、となった
なら燈花会(とうかえ)
本年2021年は事前登録制での観覧、とのお知らせを
近鉄電車内の吊り広告で見ていましたが
感染人数が増えているとのことで観覧中止と。
屋外開催のイベントですが・・残念
下の大仏さまの画像になら燈花会(とうかえ)のリンクを貼っていますので
ご興味のある方、ぜひご覧ください。
車窓から見る景色に
想い出、記憶が重なるタイミング、という瞬間があります。
香りは記憶に直結しますが
車窓からのアプローチは香りを感じられない分、
その陽の印象、空気感という要素が大いに力を発揮していると感じています。
入社して3年目くらいに担当させていただいた
大型商業施設案件を思い出していました。
当時、アミューズメントパーク、大きなゲームセンターが流行し始めた頃
SEGAさんの担当をしていました。
その現場も終焉という時に、とても怒られたんですよね。
乃村工藝社さんのお仕事で、現場を管理されていた小林さんという方に。
今でもこうやってたまに思い出す経験
携帯電話のない当時、会社に電話をいただいて
30分くらい怒られていたのですが
当時のわたしは
早く終わらないかな、くらいに思っていました。
怒られている意味もわからなかった・・
経験も配慮も、想像力も何もかも不足
いい仕事、来てくださる方に幸せになってもらいたい、と
考えることと
同じくらい
大切なことがある、を教えていただいた。
設計スタートからお客様の幸せというゴールの間のさまざまを
1mmずつ想像して埋めていく、潰していくような配慮と作業。
それは、どれだけ努めても完璧はないんだと。
怒られている意味すらわからなかった、から
今ならわかる、ね、までの時間
そういう経験は誰にとってもあるんだと思います。
八つ当たりみたいに、怒られたって心には響かないけど
「こうじゃないかな」「こう思うけど?どう?」的に問うてもらえることは
ありがたい時間なんだな、と感じます。
小林さんにはありえないくらい、電話で怒鳴られたのですが
もう25年、四半世紀すぎた記憶
たまに思い出します。
もう、とっくの昔に
担当させていただいたSEGAさんはどれも無くなっていますが
でも、そのSEGAさんの在りし日が
誰かの記憶や記憶の中の風景として生きていてくれるとといいな、と思います。
私の中では至らぬ自分を(社外の方なのに)時間を使って
怒ってくださった、という記憶とともにあるのです。
今でもまだまだ、まだまだ、至りませんが
設計とは想像すること、想像し尽くすこと、との思いに至るスタートだったと思います。
光環境設計室
菊原 啓子
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