ファサードの明るさ
そのお店の前を、そんなに通るわけではないけれど
建物の右にはカフェがあること、
左に少し可愛らしいお店があることは知っていました。
小さなサインに『flower shop』とあってお花屋さんであることを知りました。
ファサードの方位的には「南」
計画の際に「自然光が入るので」明るさは大丈夫だよね、とおっしゃる
店主さまや内装デザイナーさんは多いです。
でも、店内真っ暗・・
何屋さんかの識別も難しかったです。
画像を大きくしてみました。
実は外光〜日中の自然光、が豊かであれば、あるほど
バランスを考えて、
店内、特にファサードの見え方を(光)設計する必要があります。
写真を撮影した日は曇り
曇天も明るさが必要です。
でも、一番明るさが必要になるのは晴天時。
「自然光が入るから、大丈夫だよね」と思ってしまいがちなタイミング
明るさは、明・暗の比較で感じられるので、
明るい自然光があると、対して、店内〜ファサードは暗く感じます。
ファサードに1灯、明るさが配されていると、きっと素敵なのに。
扉越しに、照らされる植物のグリーンが昼夜問わず、
スッと照らされて、
店内の奥へと、その明るさが、グラデーションのように誘ってくれると
より、素敵にお店を認知してもらえると感じます。
このお店の例とは異なりますが
夜間、素敵なお店だな、と思って
今度、昼間に訪れよう!と来てみたけれど、
見つからない、という経験はありませんか?
大抵、車、で前を通って探している、ケースだと思います。
夜間は小さな明るさでも
(日中より)周りの明るさ〜が少なくなるので
比較的目立って、
お店の視認性が上がっていることがあります。
でも、日中(昼光時)用に明るさの設計がされていないと
昼光の明るさに負けてしまう、という状態になり兼ねません。
これは、お店のファサードに限ったことではなくて
お家の、豊かに光の入るリビングにも言えることです。
1日の中で、太陽の光が豊かな時間帯に
リビングが暗く感じてしまうことは、とても寂しく勿体無い・・
明るさを得るため、だけでなく
その場所の最適な明るさの維持を考える、
明るさのバランスを考案することも、光環境の設計なのです。
光環境設計室
きくはら けいこ
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